答え
- B織り込み済み
織り込み済みは、市場に影響のある経済指標などの材料(市場変動要因)が既に相場に反映されていることをいいます。
2017年3月のFRBの利上げ決定によって、米ドル/円は直近の高値115円台から112円台まで売られ、「利上げをするとその通貨が買われる」という通常の相場の反応に反した動きをしました。これは、市場ではFRBが利上げをすることが予想通りだったために、材料(市場変動要因)が既に市場に反映されている、つまり、「織り込み済み」だったということになります。
【虎の巻アドバイス】
市場が織り込み済みの状況にある場合、経済指標や経済政策などの材料(市場変動要因)が発表された後に、その発表結果に関わらず、市場が通常の動きとは反対の動きを示すことがあるため、注意が必要です。
実際に市場を動かすのはその時の市場参加者で、「噂で買って事実で売る」という言葉が使われることもあるほどです。噂や予想を期待して買い注文が入り、そして、結果が発表されて事実が分かった時点で、市場を動かしていた材料が意味をなさなくなり、利益確定の売り注文が出て価格が下落することもあります(逆に噂の時点で通貨が売られ、事実が明らかになった時点で通貨が買われることもあります)。
理論や常識だけで投資判断をするのではなく、何か重要な経済指標については、発表間際や発表後に限らず、発表前の市場の動きにも注意が必要です。
※FRB = Federal Reserve Board
次回、虎の巻更新をお楽しみに!
本記事は2017年6月1日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
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解説
2017年3月にFRBが利上げを決定したにもかかわらず、「米ドル/円売り」が発生しました。
要因としては、以下の2点が考えられます。