予想して、解説を聞いて、身につける。
初心者の方はもちろん、 FXを深く学びたいすべての方へ。

外貨ex虎の巻では、実際のチャートをもとに
トレード予測をクイズ形式で出題。
楽しみながらFXへの理解を深めていきましょう。

虎の巻19 「市場の事前予想にも注意」

今回はFXの基本問題です

金利が上昇すると通常は通貨が買われる傾向になりますが、2017年3月にFRBが利上げを決めた際には、利上げの決定が市場の事前予想通りの結果であったために、米ドル/円が売られました。

※東京市場の米ドル/円の日足チャート

Qこのような市場の反応を何というでしょうか。

答え

  • B織り込み済み

織り込み済みは、市場に影響のある経済指標などの材料(市場変動要因)が既に相場に反映されていることをいいます。
2017年3月のFRBの利上げ決定によって、米ドル/円は直近の高値115円台から112円台まで売られ、「利上げをするとその通貨が買われる」という通常の相場の反応に反した動きをしました。これは、市場ではFRBが利上げをすることが予想通りだったために、材料(市場変動要因)が既に市場に反映されている、つまり、「織り込み済み」だったということになります。

解説

2017年3月にFRBが利上げを決定したにもかかわらず、「米ドル/円売り」が発生しました。
要因としては、以下の2点が考えられます。

  1. 1.
    既にFRBが2016年12月から言及しており、利上げ決定以前から「米ドル/円買い」の材料が市場に反映されていたこと(織り込み済み)
  2. 2.
    市場では利上げのペースが2016年12月時点より加速するだろうという期待予想が広がっていたが、FRBが据え置きとし、期待を裏切ったこと

【虎の巻アドバイス】

市場が織り込み済みの状況にある場合、経済指標や経済政策などの材料(市場変動要因)が発表された後に、その発表結果に関わらず、市場が通常の動きとは反対の動きを示すことがあるため、注意が必要です。
実際に市場を動かすのはその時の市場参加者で、「噂で買って事実で売る」という言葉が使われることもあるほどです。噂や予想を期待して買い注文が入り、そして、結果が発表されて事実が分かった時点で、市場を動かしていた材料が意味をなさなくなり、利益確定の売り注文が出て価格が下落することもあります(逆に噂の時点で通貨が売られ、事実が明らかになった時点で通貨が買われることもあります)。
理論や常識だけで投資判断をするのではなく、何か重要な経済指標については、発表間際や発表後に限らず、発表前の市場の動きにも注意が必要です。

※FRB = Federal Reserve Board

次回、虎の巻更新をお楽しみに!

本記事は2017年6月1日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
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